「新聞のすべて」を一目で
新聞はどのようにして出来るのか。また、いつごろからあり、時代とともに、どう変わったのか。そんな新聞への疑問が、一目でわかるのが、弊社の「新聞研究・資料室」です。ここでは新しい技術の研究にも取り組み、新聞印刷工場としては、全国にも例のない施設です。
活版時代の貴重な機器や資材
毎日新聞は平成元年12月10日からコンピューター(CTS)で新聞を編集、制作していますが、それまでは鉛の活字などを使っていました。この時代を活版時代と呼びます。新聞研究・資料室には、当時使用されていた貴重な資材や機器が展示されています。 ガラスケースの中には、毎日新聞の前進にあたる東京日日新聞時代の題字や、鉛の活字を作るための母型、活字にない特殊な文字を活版部の職人が作った木製の活字など珍しいものも展示されています。また、輪転機に装着して新聞を印刷した半円型状の鉛版もあります。
三つある大組み台は、鉛の活字を新聞の一頁大に組み付けたものです。これを紙型に写しとり、そこに溶けた鉛合金を流し込んで鉛版をつくります。大組み台の一つは、活字で作られた毎日新聞の1面としては最後の紙面に使われたものです。展示室中央には、1966年(昭和41年)、毎日新聞東京本社に導入された15型超高速度輪転機を10分の1サイズの模型として再現。1時間に15万部の新聞が印刷できる、凸版輪転機としては当時最高性能を誇った機械です。 このほか、植字台、ベントン型母型彫刻機、見出し鋳造機など、珍しい機器が並んでいます。
歴史的な紙面
「あの時代・この紙面」と題し、歴史的な事件を報道した紙面を中心に29の紙面が紹介されています。天皇陛下のご誕生、ご結婚や、ケネディ米大統領暗殺、アポロ11号の月面到達、日本万博、東京オリンピック開幕などのほか、明治時代の紙面も目にすることができます。また新聞記事の書き方や扱い方の違いなどもわかります。 「明治・大正のころの新聞社」を撮影した写真では、和服姿の新聞記者や、当時の礼服であったモーニング姿のカメラマンなど、時代による作業風景の違いを知ることができます。